国家機関と民間企業で異なる2つの政策が併用されている中国の年金の一元化に向けた改革方案がこのほど確定され、国務院常務会議と中央政治局常務委員会で審議の上採択された。党・政府機関と事業機関は今後、企業と同じ基本養老保険制度を実施することになる。国務院の馬凱副総理は23日、国務院を代表し、全国人民代表大会常務委員会に都市・農村の社会保障体系構築業務の推進状況に関する報告を行った。新京報が伝えた。
馬副総理が報告の中で述べた内容は以下の通り。
▽年金:「二重制度」で受給額の差が突出
中国の社会保障体系は大まかに形成されたが、公平性に欠ける。党・政府機関と事業機関は依然として機関退職年金制度を実施しており、企業職員の年金制度とは異なる。受給される年金額の格差も際立っており、社会からも大きな反響が寄せられている。
今後は、党・政府機関と事業機関の養老保険制度改革を推進し、都市部の企業と同じ養老保険制度を確立する。
改革の基本的構想は、「1つの統一、5つの同時」だ。
「1つの統一」とは、党・政府機関と事業機関が企業と同様の統一された基本養老保険制度を確立することを指す。各国家機関および職員が保険料を納付するようにし、退職金の計算・支給方法を改革し、制度・メカニズム面から「二重制度」の矛盾を解決する。
「5つの同時」とは、▽党・政府機関と事業機関が同時に改革を進める▽職業年金と基本養老保険制度を同時に設立する▽養老保険制度改革と賃金制度の改善を同時に推進する▽受給額の調整メカニズムと計算・支給方法の改革を同時に行う▽全国で同時に改革を実施する――ことを指す。